
あいつの企画を「レベルが低い」と笑った俺が、掲示板の前で動けなくなった理由
コラム
掲示板の前で
結果発表の日、3階エレベーター前の掲示板に人だかりができていました。最優秀賞の欄に、あいつの名前がありました。胃の奥がきゅっと締まるのを感じました。
翌日の全体朝礼で部長が言いました。「地道に努力する人間が、最後にちゃんと届くんだよ」その言葉は、あいつに向けられたものです。
でも俺には、自分への否定に聞こえました。地道に努力しなかった人間は、届かない。それは俺のことでした。
そして...
俺はあのコンペに、結局応募しませんでした。企画書は途中まで書いて、下書きフォルダに入れたまま期限が過ぎました。あいつを笑っている間に、自分の手は止まっていたのです。
あいつの企画をけなしたのは、あいつが弱いからじゃなかった。俺が怖かったからです。同期に先を越される恐怖を、相手を下げることでごまかしていた。
掲示板の前で動けなかったのは、悔しかったからではありません。あの名前が自分だった可能性を、自分でつぶしたことに気づいたからです。
(20代男性・企画職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























