おしゃれと恋で もっとかわいく - ハウコレ
SP用検索ボタン
メニューはこちら

「文字だけじゃ気持ちは伝わらない」と逃げ続けた俺。彼女のある一言で→一晩かけて長文を打っていた

コラム

メッセージで気持ちを伝えるのが苦手でした。苦手というより、怖かった。文字にしたら薄っぺらくなる気がして、ずっと逃げていたのかもしれません。

書けない人間

「文字だけじゃ気持ちは伝わらない」

彼女にそう返すたびに、本当は自分に言い聞かせていました。伝わらないんじゃなくて、俺がうまく書けないだけです。

彼女が丁寧に気持ちを綴ったメッセージに「了解」としか返せない自分が情けなかった。「電話でよくない?」と言うのは、声なら表情や間合いで補えるからです。文字だけの世界では、自分の気持ちを正確に並べる自信がありませんでした。

逃げられなくなった夜

あの夜、電話で少し空気が悪くなったとき、彼女が言いました。「文字でも本気なら相手に伝わるでしょ…」「え、無理だって」と笑ってかわそうとしたけれど、彼女の声はまっすぐでした。

「無理じゃなくて、一回やってみて。私に、文字で気持ちを伝えてみてほしい」

電話を切ったあと、メッセージの入力画面を開いては閉じ、開いては閉じを繰り返しました。何を書いても嘘くさく見える。「好き」の文字すら、画面に打つと急に軽く感じました。布団に入ってからもスマホを握ったまま天井を見つめて、結局その夜は一文字も送れませんでした。

  • X
  • Line