
彼女からの「私のどこが好き?」に30分固まった俺。打ち終えた答えを、姪っ子のひと叩きで1文字だけ送信されてしまった日のこと
コラム
飛んでいった1文字
画面を見て、肩がびくっと震えました。送信済みの欄に「全」の1文字だけが表示されています。続けて打つはずだった「部好きだよ」は、まだ画面に残っていません。
返信はすぐに来ました。「は?」。短いその2文字に、彼女がどれほど傷ついたかが伝わってきました。俺は姪っ子を片手に抱えなおして、慌ててメッセージを打ちました。「ごめん、全部好きって打ってたら姪っ子に手叩かれて送信ボタン押されちゃった」。状況を説明する文章を、何通も続けて送りました。
それでも俺は、自分が一番うしろめたいことを書けませんでした。姪っ子に手を叩かれる前に、俺は30分間、答えを出せずに固まっていたのです。
そして…
返ってきたのは「ふーん」の3文字でした。怒っているのとは少し違う、けれど何かを諦めたような響きがありました。
夜、彼女に「今夜会いに行ってもいい?」と送ると、少し間があってから「いいよ」と返事が来ました。妹の家を出るとき、姪っ子に「ごめんね、おじちゃんを助けてくれたのかもね」と笑いかけました。あのひと叩きがなければ、俺はもう少し長い時間、答えの出ない画面を見つめ続けていたはずです。
彼女に会ったら、なんと言おうか。「全部好きだよ」と今さら言うのは違う気がします。それより先に、30分かかった理由を、ちゃんと話したいと思いました。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























