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「おばあちゃんの家なんか行きたくない」と玄関でこぼした中3の娘が、帰りの電車で握りしめていた小さな紙袋

コラム

私たち家族は、夫の母が住む家を月に一度訪ねるのが習慣でした。娘は今年中学3年生になり、受験を控える時期と反抗期がちょうど重なっていたのです。けれど、あの土曜日に玄関でこぼした娘のひとことが、思いがけない形で帰路の私を待っていました。

玄関でこぼれた本音

駅から歩いて10分の義母の家。チャイムを鳴らすと、義母の声で「鍵開いてるよ」と返事が返ってきました。引き戸を開け、靴を脱ぎ始めた娘が、私だけに聞こえるような声でぼそりとつぶやきました。「おばあちゃんの家なんか行きたくない」

廊下の奥からは、義母のスリッパの音がゆっくり近づいてきていました。義母は台所から出迎えに歩いてきていたところだったようです。「来てくれてありがとうね。ご飯、たくさん作ったから食べてね」義母はいつもの柔らかい笑顔でした。けれど私には、その笑顔がいつもより少しだけ作り物に見えました。気のせいかもしれません。それでも玄関を入ってからしばらく、義母の目が娘を見ているのに、娘は義母と目を合わせませんでした。

空回りする時間

食卓には、娘の好きな唐揚げと、義母お手製のポテトサラダ、季節の煮物が並んでいました。前回娘が「美味しい」と言った卵焼きまで、おかわり用に大皿で用意されています。けれど娘は、唐揚げを2個食べたあと「お腹いっぱい」と箸を置いてしまいました。義母が「アルバム見る?」と古い写真を持ってきても、娘は「いや、いい」と短く返すだけ。スマホに視線を落として、画面をスクロールし続けていました。私は何度も「ありがとう、お義母さん」と言葉を挟みましたが、空回りしている感覚は消えませんでした。

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