
「行きたくない」と廊下まで聞こえた朝、私は孫のために電車に2時間乗って合格祈願に行ってきた
コラム
私は60代の主婦で、孫娘の成長を楽しみにしている祖母です。孫は今年中学3年生になり、受験勉強でなかなか会えない月もあるようになっていました。あの土曜日、玄関から聞こえてしまった小さなひとことに、私は少し動揺していたと思います。
聞こえてしまったひとこと
その朝、私は早起きをして電車に乗りました。学問の神様で有名な天神さまに、孫の合格祈願をしに行くためです。乗り換えを含めて片道2時間。境内で手を合わせ、合格祈願の御守りを1つ授かって、お昼前に家に戻りました。帰宅して台所で支度を始めたところで、玄関のインターホンが鳴りました。私は手を拭いて「鍵開いてるよ」と返事をしてから、廊下へ向かいました。歩いている途中で、孫の小さな声が耳に届いてしまったのです。 「おばあちゃんの家なんか行きたくない」聞き間違いだったらと思いました。けれど、孫の声は確かに、玄関から廊下を伝って私のところまで届いていたのです。
気づかないふりで出迎えた
しかし私はそのまま玄関へ行き「来てくれてありがとうね。ご飯、たくさん作ったから食べてね」と出迎えました。動揺を見せないように、笑顔の作り方を間違えないように、気をつけました。孫は私と目を合わせず、靴を脱いでリビングへ入っていきました。食卓では、用意した料理を孫がほとんど食べないのが見えていました。孫が前回「美味しい」と言ってくれた卵焼きも、ほとんど手をつけずに残されていました。「アルバム見る?」と声をかけても、孫は「いや、いい」とだけ返して、スマホの画面を見つめていました。それでも私は、笑顔を崩しませんでした。崩したら、息子夫婦に心配をかけてしまうから。
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渡すかどうか迷った御守り

























