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「行きたくない」と廊下まで聞こえた朝、私は孫のために電車に2時間乗って合格祈願に行ってきた

コラム

渡すかどうか迷った御守り

実は神社からの帰りの電車で、私は何度も「渡そうか、やめようか」と迷っていました。受験生の孫に余計なプレッシャーをかけてはいけない、と。けれど、社殿の前で手を合わせた時間が、自分のなかでとても大事に感じられたのです。それでも玄関であの声を聞いてから、また迷いが戻ってきました。「行きたくない」と思っている子に、私の御守りなんて重荷でしかないのかもしれない、と。それでも帰り際、玄関で私は紙袋から御守りを取り出して、メモを添えて手渡しました。「これ、お土産。家で開けてね」。孫は何も言わずに受け取って、うなずいてくれました。それだけで、私は十分でした。

そして...

見送ったあと、台所に戻って洗い物をしながら、御守りに添えたメモのことを思い出しました。「むりしすぎないでね。おばあちゃんも、毎日応援しています」。書いてはみたものの、孫がそれを開けるかどうか分からない、と思っていました。翌日の夜、息子の妻から電話がありました。「お義母さん、ありがとうございました。あのお守り、娘がずっと握りしめていて」。受話器を持ったまま、私はうなずくのに少し時間がかかりました。 来月もまた、電車に乗って参拝へ行こうと思います。孫が「行きたくない」と思っても、来てくれるたびに、私は何かを用意し続けたい。それだけが、私にできることだから。

(60代女性・主婦)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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