
「根性のない奴は本気を出せ」と煽った俺→水泳大会で教え子の泳ぎを見届けて、頭を上げられなくなった
コラム
俺は小学校で体育を担当している教師です。学生時代から運動部漬けで、できない奴は努力していないだけ、と思っていました。けれど、5年生のクラスにいた一人の男子の水泳大会での泳ぎを見たとき、その考えに少しずつ疑問が生まれていったのです。
できない子には根性論をぶつけてきた
俺は中学・高校とずっと運動部で、努力すれば結果は出ると信じてきました。だから体育の授業で、走るのが遅い、跳び箱が飛べない、ボールが捕れない子たちには「気合いだ」「根性で乗り越えろ」と発破をかけるのが俺の指導でした。
5年生のクラスに、特に運動が苦手な男子がいました。徒競走はいつも最後尾、跳び箱は1段目から怖がる、ボール運動では避けてばかり。何度も呼びつけて言ってきました。「体育ができない子は根性がない」と。本人のためを思って言っていたつもりです。あいつのように泣きそうになる子は、「打たれ弱いだけだ」と切り捨てていました。
大会の朝、いつもの調子で煽った
7月の水泳大会の朝、俺は生徒たちの前に立ってマイクを持ちました。「根性のない奴は本気を出せ」。いつもの口癖でした。保護者の前でも、そう言うのが俺の流儀だったのです。
25メートル自由形で、例のあいつはやはり後ろから2番目の順位でした。「ほら、見ろよ」と内心で笑っていました。
ところが、続く「持久泳」。ゆっくりでもいいから泳ぎ続ける種目で、あいつだけが他の子とは違うリズムで、淡々と泳ぎ続けているのです。フォームにも息継ぎにも無理がない。「これは普通の子の泳ぎじゃない」と、プールサイドにいた俺の目は、あいつの動きから離れなくなっていきました。
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泳ぎ続ける教え子の前で























