
妻のベランダ菜園を「コスパが悪い」と切り捨てた俺。3歳の娘がトマトを頬張った日の話
コラム
娘がトマトを頬張った朝
2か月が過ぎた朝のこと。「ママ、トマトさん赤くなった!」と娘の声が響きました。リビングから出ていくと、プランターには小さな赤い実がひとつ実っていたのです。
妻と娘が一緒に収穫したトマトを、娘はそのまま丸ごと口に運びました。普段はトマトを見ただけで顔をしかめる娘です。それが、ほおをふくらませながら「ママ、おいしいー!」と笑ったのです。
俺は、ただ立ち尽くしていました。「コスパが悪い」と笑っていた自分の声が、頭の中で何度も繰り返されていました。トマト1個の値段では測れないものが、たしかにそこにあったのです。
そして...
次の週末、俺は一人でホームセンターに行きました。きゅうりの苗を一鉢、迷いながら選んで持ち帰ったのです。
妻と娘が驚いた顔で見ているのに気づいて、ぶっきらぼうに言いました。「次は俺が育てる」
後ろから娘が「パパも一緒だね」と笑い、妻が黙ってじょうろを差し出してくれました。慣れない手つきで苗を植えていると、土を触るのは何年ぶりかわかりませんでした。
俺が無駄だと切り捨てたものは、家計簿に書ける値段では計算できないものでした。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























