
気になる彼が私の作品だけ展示台を低く下げた。理由を聞いても「気にしないで」とそっけなくて
コラム
勇気を出して理由を尋ねた私に、彼が返したのは、そっけない一言だけ。突き放されたような気持ちを抱えたまま、私はひとり、展示会の当日を迎えることになりました。
搬入を終えた会場を見渡したとき、ひとつだけ低い位置に置かれた展示台に気づきました。その上にあったのは、私が何週間もかけて作ったミニチュアの部屋。ほかの作品はみんな目線の高さに並んでいるのに、私のものだけが、ぽつんと低い場所にあったのです。
目線の高さに並ばなかった、私の作品
私が通っているのは、ミニチュア作りを楽しむ趣味のサークルです。手のひらにのるくらいの小さな部屋を、家具や雑貨ごと作り込むのが好きで、半年ほど前から月に一度の集まりに参加していました。
そのサークルには、いつも展示の準備を率先して手伝う先輩がいます。物腰が穏やかで、誰の作品にも丁寧に向き合うその人のことが、私はいつからか気になっていました。
今回は、サークル全員の作品を集めた展示会です。同じ形の展示台がいくつも並び、みんなの作品が目線の高さにそろっていきます。ところが会場に着くと、私の展示台だけが、ほかよりずっと低い位置に下げられていたのです。
誰かが間違えたのかと思って近づくと、台を調整していたのは、あの先輩でした。
「気にしないで」と言われて
どうして私の作品だけ低くしたのか、気になって仕方ありませんでした。下げられた台の前にしゃがむと、自分の部屋だけが床に近い場所にあるようで、なんだか恥ずかしくなってきます。思いきって、私は先輩に尋ねました。
「私のだけ、どうして低くしたんですか?」
先輩はちらりとこちらを見ましたが、「気にしないで」と言って、「そのほうがいいと思っただけだから」と続けました。それ以上は何も説明してくれず、ほかのメンバーに呼ばれて行ってしまいました。
私の作品は、目線の高さに置く価値もないということなのでしょうか。せっかく時間をかけて作ったのに、低い場所に追いやられたようで、家に帰ってからもずっとそのことばかり考えていました。
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低い展示台の前に、人が集まっていた

























