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気になる彼が私の作品だけ展示台を低く下げた。理由を聞いても「気にしないで」とそっけなくて

コラム

低い展示台の前に、人が集まっていた

展示会の当日、会場に入った私は、思わず足を止めました。低い位置にある私の展示台の前に、何人もの来場者が集まっていたのです。みんな少し腰をかがめて、上から私の作品をのぞき込んでいました。

天井のない小さな部屋は、上から見下ろすと、机の上のカップや、床に広げた本まで全部が見えます。背の低い子どもたちも、ちょうど目の高さで中をのぞけて、嬉しそうに指をさしていました。

目線の高さの台に置いていたら、正面の壁しか見えなかったはずです。低く下げられていたから、部屋の中の細かい部分まで、みんなにちゃんと届いていました。あの位置は、私の作品が一番きれいに見える高さだったのだと、ようやく気づいたのです。

そして...

低い場所に追いやられたと思っていた私の作品は、本当は、一番よく見てもらえる場所に置かれていました。それに気づいたとき、あのときの悔しさが、少しずつほどけていくのを感じました。

それでも、ひとつだけわからないことがあります。どうして先輩は、あんなにそっけない言い方をしたのでしょう。ほんの一言、理由を教えてくれたら、私はあんなに落ち込まずにすんだのに。

今度こそ、ちゃんと聞いてみようと思います。そして、低くしてくれてありがとうと、伝えたいのです。あの部屋を一番きれいに見せてくれたのは、ほかでもない、あの人だったのだから。

(20代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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