
初めて部屋に来た彼が差し出した花束、その宛名は私の名前ではありませんでした
コラム
のみ込んだ言葉と、小さな後悔
その笑顔を見て、私は用意していた言葉をのみ込みました。初めて来てくれた彼の前で空気を悪くしたくなくて、「そっか、ありがとう」とだけ返したのです。
本当は、もっと違う言葉を探していました。私のために選んでくれた花だと思って、あんなに浮き立っていた自分が、急に恥ずかしくなりました。彼にとって今日は、私が思っていたほど特別ではなかったのかもしれない。そんな考えが、頭の片隅から離れませんでした。
そして...
その花を、私は結局その日のうちには生けられませんでした。知らない名前のカードがついた花を、自分の部屋にどう置けばいいのか、わからなかったのです。
それでも、彼が玄関で見せた少し慌てたような表情を、私は何度も思い返していました。あのとき彼は、本当はなんと言いたかったのでしょう。
聞けなかった私にも、きっと悪いところはあったのだと思います。次に会うときは、今度こそ自分の気持ちを言葉にしてみようと、そう決めています。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)


























