
彼女の発言だけ議事録から消していた僕が、最後まで言えなかった理由
コラム
問い詰められた日のこと
彼女が思いつめた表情で、僕に尋ねてきました。
「どうして私の発言だけ、消したの?」
本当の理由を話せば、彼女を心配させてしまう。先輩の名前を出せば、社内のことに彼女を巻き込んでしまう。そんな言い訳が頭の中で渦巻いて、僕の口から出たのは短い一言でした。
「君の名前で残すと、面倒なことになると思ったんだ」
彼女の顔が、見るからにこわばりました。きちんと説明する勇気が、そのときの僕にはなかったのです。
そして...
僕がしたことは、彼女を信じきれていなかったことの裏返しだったのだと思います。彼女なら、自分の力で切り返せたかもしれないのに、僕は先回りして、その機会ごと消してしまった。
守りたかったのは本当です。でも、どう守るかを彼女と決めなかった時点で、それはただの押しつけでした。次に会ったら、全部話そうと決めています。先輩のことも、僕が勝手に間引いていたことも。
そのうえで、君の意見は君の名前で残すべきだと、自分の口で伝えたい。消した一行を取り戻すことはできません。それでも、彼女の言葉を二度と消さないことが、僕にできるせめてもの償いです。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























