
妹に店をすすめた俺が、彼女を傷つけていたと気づくまで
コラム
準備ばかりに必死で、肝心の相手にだけ、何も言えていませんでした。妹のひとことで目が覚めた俺が、格好つけよりも先に選んだのは、ひとつの謝罪でした。
スマホで妹に送るメッセージを、何度か打ち直していました。あの路地裏の店を、どう伝えれば伝わるかと考えていたのです。彼女との大事な日に使いたい店だと、まだ誰にも言えずにいました。ところが俺は、肝心の彼女を一番置き去りにしていたようです。
妹に意見を聞きたかった
あの店は、俺がいちばん落ち着ける場所でした。だから彼女と付き合えたら、最初にちゃんと連れて行きたいと考えていました。
料理の好みが近い妹なら、何を勧めれば喜ばれるか相談できると思い、メッセージで「あの店、絶対気に入るよ」と熱く語ってしまったのです。彼女に内緒で計画を進めているつもりでした。
彼女を待たせていた言葉
彼女には、店を出たところで「落ち着いたら付き合おう」と伝えていました。異動が落ち着けば、すぐにでもと本気で思っていました。
けれど落ち着いたらという言葉が、相手にどれだけ宙ぶらりんに響くか、俺はわかっていませんでした。準備を口実にして、肝心の気持ちを先延ばしにしていただけかもしれません。
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妹からの一言で

























