おしゃれと恋で もっとかわいく - ハウコレ
SP用検索ボタン
メニューはこちら

一緒に傘に入って帰りたかっただけなのに、俺はまた、いちばんそっけない言い方を選んでしまう

コラム

言葉の代わりに、傘を傾けた

先に駅に着いた俺は、改札を出たところで、傘を差した妻が来るのを待ちました。妻が来ると、その傘を受け取って、外へ出るなり二人の上に広げます。「いいから、こっち入って」とだけ言って、俺は傘を妻のほうへ傾けました。自分の肩が雨に出ているくらい、どうということはありません。用意していたはずの説明は、妻の顔を見た拍子にどこかへ行ってしまいました。肩がぶつかるくらいの近さで帰る、それがしたかっただけなのです。隣で妻が小さく笑ったのが、傘の内側から見えました。

そして...

あの短い返事を、妻はきっと冷たいと受け取ったはずです。違うと言えばいいだけなのに、その一言がいちばん難しい。次に雨が降ったら、今度は呼び出す理由くらい、ちゃんと言葉にして送ろうと思います。傘は、やっぱり一本でいい。あの時のように、二人でくっついて帰りたいから。

(30代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

  • X
  • Line