
「…ありがとう」とだけ言った私の、言えなかった本音
コラム
5回目の誕生日に、彼がくれたのは洗剤と柔軟剤、ハンドソープのセットでした。毎日使うものだと分かっています。けれど、紙袋の中身を見た瞬間、今年も私は「ありがとう」だけを返しました。本当は、誕生日くらい特別に選ばれたものが欲しかったのです。
また日用品だった
付き合って5年になる彼は、毎年きちんと誕生日を祝ってくれます。忘れられたことはありません。食事も用意してくれるし、プレゼントも必ず渡してくれます。
それでも、紙袋を開ける前から、私は中身を少し予想していました。1年目はバスタオルのセット。2年目は食器用洗剤と掃除グッズ。その後も、彼が選ぶのは暮らしの中で使えるものばかりでした。
今年の袋に入っていたのは、洗剤、柔軟剤、ハンドソープでした。きれいに包まれていて、彼が雑に選んだわけではないことは分かります。だからこそ、がっかりした自分を責める気持ちもありました。
毎日使うやつだから
彼は「毎日使うやつだから」と言いました。たしかに、その通りです。買い足す手間も減るし、少し高めのブランドで、自分では選ばないものでもありました。
でも、私が誕生日に欲しかったのは、便利さだけではありませんでした。普段の買い物ではなく、彼が私を思って選んだと分かるものが欲しかったのです。
「ありがとう」と返したあと、私は洗面所の棚にそれを並べました。置き場所までぴったり収まることが、かえって寂しく感じました。誕生日のプレゼントが、生活の補充品になっていくように思えたからです。
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言えなかった言葉


























