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車内で日焼け止めを塗った私。降車後に待った一言

コラム

降りていった電車のなかで

ドアが閉まり、車両がふたたび動き出します。私は袖口の白い跡を、ハンカチでなぞるようにして拭き取りました。一駅ぶんの間のあと、間を開けて奥に立っていた女性と目が合いました。

「ありがとうございました」

小さな声でしたが、はっきりと届きました。私は会釈を返したつもりでしたが、声を出すのは諦めました。注意したのは周りの人のためではなく、ただ自分が困っていただけだったんです。そんな思いが、同時に私の中に残りました。

そして...

数日後、新人の後輩が会議室で香水を強く纏ってきた場面に出くわしました。鼻がむずむずして、ひと声かけようかと思ったとき、あの女の子の顔が浮かびます。

私は咳ばらいだけして、自分の席に戻りました。注意することと、自分の不快を相手にぶつけることが、別ものに見える瞬間でした。あの一言の「ありがとうございました」が、私の通勤電車を少しだけ違う場所にしてくれています。

(30代女性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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