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妻の弁当を残すのがつらくて、仕事の帰り道にとった行動

コラム

感謝していないわけがありませんでした。ただ、あの人が心を込めて作ったものを残して帰る自分の顔だけは、どうしても見せたくなかったのです。

最寄り駅で電車を降りた俺は、家とは反対の方へ歩いて、公園のベンチに腰を下ろしました。

食べきれなかったお弁当

妻は結婚してからずっと、俺にお弁当を持たせてくれます。仕事が立て込む時期が重なって、その半分も食べきれない日が続いていました。手をつけられなかったおかずを、食卓で妻と分け合うとき、俺はいつも後ろめたさを抱えていました。

あの人が手間をかけて作ったものを、俺が残している。その事実だけが、口の中の卵焼きの味を遠ざけました。

「いらないなら」と聞かれて

食卓で向かい合ったある日、妻が聞いてきました。

「いらないなら、言ってね」

責める調子ではなかったのに、その一言は思っていたより深く刺さりました。俺は箸を置いて、焦って顔を上げます。

「いらないなんて、そんなことないよ」うまく言えないまま、それでも伝えたくて続けました。

「本当に感謝してるよ。ただ、仕事が立て込んでて、食べる時間がなかっただけで」

妻の作ったお弁当が、俺は好きなのです。

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帰り道のベンチで
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