
要望を少しだけ変えて仕上げるのは、前に言われた一言が忘れられないから
コラム
ありがとうございますの声が、いつもより短かった
仕上がりには自信がありました。色も形も、その人の手にきれいになじんでいます。会計のとき、その人は「ありがとうございます」と言ってくれました。けれど、次の予約の話は出てきません。いつもなら日程を決めて帰る人です。指先ではなく、その人の表情を見ていればよかったと、後になって思いました。守りたくて変えたことも、伝えなければ、希望を無視したのと同じに見えてしまう。そのことに、私はやっと気づいたのです。
そして...
あの人がまた来てくれるかは、わかりません。もし次があるなら、今度は筆を動かす前に理由をきちんと話そうと決めました。あなたの爪を長く楽しんでほしいから、ここを変えたいのだと。要望を守ることと、その人を守ることは、いつも同じではないのだと、この仕事で少しずつ学んでいます。
(30代女性・ネイリスト)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)



























