
消したメッセージの宛先を、彼女の誕生日まで打ち明けられなかった俺
コラム
「信じて」と言い切った瞬間、俺は彼女の誕生日を1人で守ることに決めました。
取り消したメッセージの宛先の理由は、まだ告げられません。テーブルには俺の手のひらで隠したままのスマホがありました。
最悪のタイミングで届いた返信
中学からの友人に、彼女への誕生日プレゼント選びを頼んでいました。相手は女性で、俺とは付き合いが長いのに、彼女に紹介する機会がないまま今日まで来ていた相手です。今週末、俺の部屋に来てもらってケーキと花を渡す段取りで、集合時間と受け取り場所を最後にすり合わせている途中でした。
よりによってその返信が、彼女が家に来ている最中に届いたのです。画面には友人の名前と、「花、私が受け取っておくね」と表示されていました。俺は「あ、ちょっとごめん」と言い、メッセージを非表示にしました。
とっさに出た嘘は、口にした瞬間から下手だった
「職場の人?」彼女は落ち着いた声で聞いてきました。落ち着いた声の時ほど、実は真剣に受け止めていることは、付き合いの中で知っていました。「いや、違うけど……」と答えたあとに、「今、女の子の名前見えたよ」と続けられました。ここで友人の存在を切り出せば、サプライズの意味も、彼女を家に呼ぶ理由も、まるごと台無しになります。
「なんでもない。仕事のやりとりみたいなもの」
とっさに出た嘘は、口にした瞬間から、自分でも下手だとわかりました。
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その場で捻り出せた、精1杯の折衷案

























