
電車でくしゃみを続けた私が、降りた駅で気づいたこと
コラム
「口、押さえた方がいいわよ」と年配の女性に言われた私。その一言の重さを、次の駅でマスクを袋から出して、ようやく思い知りました。
冷たい雨の日、友達と動画を見ていた私は、口元を覆わずにくしゃみを続けていたのです。
動画に夢中で、口元も覆わず
画面の中の芸人が変な顔をするたびに、私と友達は肩を寄せ合って笑いあっていました。2度目、3度目とくしゃみが続いても、動画の面白さの方が勝っていました。周りの乗客が困った顔をしているのは、視界の端でなんとなく感じていましたが、電車を降りればもう2度と会わない人たちです。この電車の中さえやり過ごせば、あとは友達との時間が続くだけでした。
「口、押さえた方がいいわよ」
すぐ近くの席に座っていた年配の女性が、わざわざ立ち上がって私に声をかけてきました。
「口、押さえた方がいいわよ」
うわ、婆さん本当にめんどくさい。せっかく友達と楽しく動画を見ていたところに水を差されたのが、ただただうっとうしくて、私は「はあ?」とだけ返して、また画面に目を戻しました。友達も目を合わせて小さく肩をすくめ、2人でまた動画に集中しようとしました。
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リュックから出てきた新品のマスク

























