
500円高いタクシーで、降り際に聞いた一言
コラム
「あの、いつもよりだいぶ長かった気がして…」と降り際に口にした私に、運転手はメーターを見て短く事情を話しました。疑いは、以前の記憶からも来ていた気がします。
メーターの数字が、いつもの金額を500円ほど超えたあたりで、私は運転席のミラーに目を上げました。
行き先を告げたあと、助手席で続くこもった声
出張帰りで、駅前のタクシー乗り場から泊まっているホテルまでは、これまで何度も乗ったルートです。行き先を告げて、私はスマホの通知に返信しかけていました。信号を2つほど越えたあたりで、カーラジオではない、こもった声のやりとりが助手席の方から聞こえてきました。
短い案内を、私は生返事で聞き流した
まもなく運転手さんがミラー越しに何か短く声をかけてきましたが、画面から目を上げないまま、私はうなずいた覚えもなく返事もしませんでした。
車が右に折れて、また左に折れて、見覚えのない住宅街に入ったと気づいたのは、そこからしばらくしてのことです。窓の外は、看板の少ない路地ばかりが流れていきます。メーターの数字は、私が普段目にする金額をゆっくり超えていきました。
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以前、1人で乗ったときだけ高かった記憶

























