
「気持ちだけ受け取っておきます」でお菓子を断り続けた私が、同期に頭を下げた理由
コラム
先輩から「同期があなたのこと心配して相談してきたのよ」と聞かされたのは、電話のフォローが片付いたあとのことでした。
断り続けてきた相手の顔が、頭から離れませんでした。同期がまた菓子箱を抱えて、フロアの席を1つずつ回っていました。
休憩室を回る同期の姿
私は同期の彼女と同じ営業事務のチームに配属されて、3年目になりました。彼女は旅行のたびに人数分のお菓子を買ってきて、休憩室で「よかったらどうぞ」と配るのが習慣になっていました。周りは「気が利くね」と受け取り、私は「気持ちだけ受け取っておきます」と断り続けていました。
理由は自分でもいくつかありました。個包装のお菓子1つで、業務の評価とは別の親しさが職場で流通するのが、私には引っかかっていました。彼女の資料の締め切り管理は私より甘い部分もあって、その甘さがお菓子で許されているようにも見えたのです。私は自分の仕事で認められたくて、菓子箱の前を通り過ぎ続けました。
「そこは自分で確認します」
半年後、彼女とペアで取引先向けの提案資料を組むことになりました。彼女は席まで来て、過去の案件を聞いてきました。私は画面から目を離さず、「そこは自分で確認します」と返しました。
仕事の話であっても、彼女に席まで来て話しかけられること自体が、また距離を詰められているように感じて、身構えたのです。「一緒にやりましょう」と続く声にも、手を止められませんでした。
会議でも彼女は柔らかい提案ばかり出して、私はそれを短くうなずいて聞いていました。心の中では、こういう空気で仕事を進める彼女に、追い越されたくないと思っていました。菓子箱で職場を回るような働き方に、負けたくなかったのです。
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先輩から聞かされた一言

























