
元カノに返しそびれたキーホルダーを、かばんにつけた俺
コラム
「返す」のたった一言が、俺には3年間言えませんでした。
翌日、共通の同期を通して彼女に届けた1通は、送信までに何度も書き直したものでした。向こうから歩いてきた元カノの視線が、俺のかばんのキーホルダーで止まりました。
3年ぶりに、彼女がそこにいた
同期の結婚式の2次会に、来ないだろうと思っていた元カノが来ていました。別れを切り出したのは俺のほうで、以来、連絡先も消したままでした。「久しぶり」と互いに言い、当たり障りのない挨拶で終わらせました。乾杯の間、彼女がどのテーブルに座ったかだけを目の端で追っていました。
気づいてほしくて、気づかれてほしくなかったキーホルダー
歓談の時間、元カノが俺のテーブルに近づいてきました。椅子の背にかけたかばんの側面には、木彫りの鹿のキーホルダーがついています。この日ずっと、その存在が気になっていました。
それは、付き合っていた頃に彼女が落としていったものです。部屋を掃除していたときに見つけましたが、翌週には別れが決まり、返す機会を失いました。高校時代の修学旅行で買ったと聞いていたので、簡単に捨てることもできませんでした。しかし、これだけを返すために連絡をする勇気もないまま、3年が過ぎていました。
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「いつのだったっけ」のごまかし

























