
10年分のコレクションを夫に売られた私が見た物
コラム
買い戻しに走る夫の背中
「悪かった。買い戻せる分は戻す」。夫はスマホを持って玄関へ向かいました。その後の数日、購入者に頭を下げるメッセージを送り続けたようです。返信は半々でした。「もう発送済みですが、キャンセルできます」と応じてくれる人もいれば、「大切に使いたいので、譲れません」と断る人もいました。譲れないと言われた側は、あの子たちを大事にしてくれる相手が見つかった証拠でもあります。私は少しだけ、そう思うことにしました。夫は「引っ越し先、狭くなるから」と、初めて動機を口にしました。それだけではなかったことも、後で知ります。
そして...
引っ越し当日、新居のリビングには、夫が組み立てたショーケースが置いてありました。半分だけ戻ってきたぬいぐるみとフィギュアが、そこに並んでいます。「これから増やしていいから」。夫はそう言って、次の段ボール箱を運び込みました。あの子たちの居場所は、私が守るしかありません。夫の善意だけでは埋まらない空白があると知った家でした。
(30代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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