
後輩の企画案に絵文字を押せなかった私が、下書きを消すのをやめた日
コラム
後輩の企画案にだけ、私は拍手の絵文字を押せませんでした。「私の提案、何か問題がありますか」と届き、消してきた下書きを今度は最後まで書きました。
最初の1つ
企画部のグループチャットでは、私が絵文字を押すと、続けて皆が押す流れができていました。役職があるわけではないのに、在籍が一番長いというだけで、反応の口火を切る役になっていたのです。同期の販促案にも、事務連絡にも、私は深く考えずに押せました。押せなかったのは、後輩の企画案だけでした。会議では控えめな彼女が、チャットに上げる企画案は具体的で、数字の根拠まで添えられていました。読み終えるまで、いつも時間がかかりました。
消した下書き
彼女の企画案は、私が出せなかった角度からまとめられていました。拍手の絵文字1つで流していい内容ではない気がして、感想を書こうと返信を打ち始めました。けれど書き進めるほど、的外れなことを書いて自分の底が見えるのが怖くなりました。先輩らしい指摘ができないなら、いっそ何も押さないほうがましだと、送信欄の文字を消しました。下書きは長くなるほど、送るきっかけを失いました。
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