
私が来ると先に帰るママ友、忘れ物を取りに戻った公園で知った理由
コラム
先に帰る理由を、彼女は誰にも言えずにいました。忘れ物の水筒を取りに戻った公園の隅で、ふらつく車輪を見た私は、そのわけをようやく知りました。
仕事を終えて公園に駆けつけると、彼女のレジャーシートだけが、いつも畳まれかけていました。
「ごめん、今日も先に帰るね」
娘の園のママ友たちは、降園後に近くの公園へ集まるのが恒例でした。子どもたちは砂場と遊具を行き来して、親たちはベンチでお菓子を分け合っています。仕事のある私は、いつも皆より遅れて合流していました。
それなのに私が到着すると、決まって1人のママ友が帰り支度を始めるのです。すれ違いざまに掛けられるのは、いつも同じ言葉でした。「ごめん、今日も先に帰るね」息子さんの手を引いて遠ざかる背中を、私は何度も見送りました。
私が来ると、帰っていく
気になり始めると、思い当たることが増えていきました。ほかのママに聞くと、「ついさっきまでいたのに」と首をかしげられます。つまり彼女は、皆とはたっぷり遊んでから、私の到着と入れ違いに帰っているのでした。
お茶に誘っても、返ってくるのは「ごめん」だけでした。私の言葉の何かが引っかかったのか、娘が息子さんに何かしてしまったのか。挨拶しか交わせない相手に嫌われる理由を、帰り道で考えるようになっていました。
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忘れ物を取りに戻った公園で























