
隣の客の「充電したいから、それ抜いて私のを挿してくれない?」、近くの席の一言で黙った話
コラム
「通路側にも使う権利あるよね?早くしてくれない?充電無くなるんだけど」と声を荒げる彼女に届いたのは、通路を挟んだ席からの落ち着いた声でした。
発車のチャイムが鳴り終わる前に、隣の席から伸びた充電ケーブルが、私の手元のコンセントに近づいてきました。
窓側を選んだ理由
実家帰りの新幹線で、私は指定席の窓側を取っていました。窓側の壁にコンセントがある車両だと知っていて、充電のために選んだ席です。
実家で充電し忘れたスマホをつなぎ、親への連絡をしようとしたところで、通路側に大きな荷物を抱えた女性が座りました。彼女は席に着くなりスマホとケーブルを取り出し、聞いてきました。
「充電したいから、それ抜いて私のを挿してくれない?」
「使う権利」
挨拶も前置きもない申し出でした。私は自分の画面を見せながら答えました。
「今使っているので、少し待ってもらえますか」
すると彼女は眉を吊り上げ、声を荒げました。
「通路側にも使う権利あるよね?早くしてくれない?充電無くなるんだけど」
周りの人がなんとなく聞き耳を立てているのが分かりました。私はこのために指定席の窓側を取ったのです。そんなに使いたいなら、窓側の指定席を取ればいいだけの話です。
私は取り合わずにスマホの画面へ目を戻しましたが、彼女はケーブルを握ったまま、何度もこちらの手元を覗き込んできます。
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新聞越しの一言























