
「私の物、勝手に動かさないで」ルームメイトを問い詰めた私が、途中で口を閉じた理由
コラム
途中で閉じた口
その日も入れ物は隅にありました。リビングでお茶を入れていた彼女の前に、私は入れ物を持ったまま立ちました。
「私の物、勝手に動かさないで」
用意していた続きの言葉より先に、彼女が下を向きました。
「コンロの横だけは、どうしても置けないの」
彼女は、実家の台所でコンロの横の紙袋に火が移りかけたのを見て以来、火の近くに物があると落ち着かないことを、途切れながら話しました。「ごめん。細かい人だと思われるのが怖くて、ちゃんと言えばよかった」私は問い詰めるつもりだった言葉を途中で飲み込んで、彼女の向かいの椅子に腰を下ろしました。
そして...
翌週、私たちは2人で入れ物の置き場を決め直しました。コンロの横には何も置かず、腰の高さの棚に並べてあります。帰宅して棚の隅を確かめる癖は、いつの間にか消えていました。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























