「あなたと肉じゃがを作ったことは1度もないですよ」お礼メールをAIに任せた私に届いた、先輩の返信

コラム

書き直し

その日の終業後、私は誰もいない事務所でメールを打ち直しました。書いては消してを繰り返し、残ったのは4行でした。「今まで本当にありがとうございました。メールの書き方を教えてくれたのは先輩でした。今度は全部自分で書きました。4行だけですが、本心です」。送ってから、最初の下書きより何倍も時間がかかったことに気づきました。翌日出社すると、先輩から短い返信が届いていました。「その4行が一番うれしいです」

そして...

先輩の最終出社日、荷物をまとめた先輩が私の席に来て、黄ばんだ紙を1枚差し出しました。「これ、あなたの1通目」印刷されていたのは、誤りだらけの、私が入社して初めて先輩に送ったメールでした。捨てずに持っていてくれた人に、私は機械の文章を返したのだと思うと、顔を上げられませんでした。あの紙は今、デスクの引き出しに入っています。効率より先に確かめるものがあると、忘れないためです。

(20代女性・営業事務)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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