
隣のコンセントを使おうとした私、見知らぬ男性に指摘された順番
コラム
譲り合って使うもの、という言葉があの日からずっと残っています。待てなかったのは、ほかでもない私の方でした。
スマホの画面に出た赤い残量表示と、隣の席の足元で光る充電ランプが、同時に目に入りました。
残り3%
その日は初めて行く街でイベントがあり、道に迷わないよう地図を開きっぱなしにしていたら、乗り継ぎの時点で充電が残り3%になっていました。降りた先で使う地図も、先方への連絡も、案内メールも、全部この1台の中にあります。
窓側の席では、先に座っていた女性がコンセントにケーブルを挿していました。順番を待つ余裕はないと思い込み、私はケーブルを手にしたまま窓側へ身を乗り出しました。
「充電したいから、それ抜いて私のを挿してくれない?」
断られた苛立ち
「今使っているので、少し待ってもらえますか」
彼女の返事はもっともでした。それなのに私は、断られたことへの苛立ちで頭がいっぱいになりました。
「通路側にも使う権利あるよね?早くしてくれない?充電無くなるんだけど」
自分の声が周りの席まで届いているのは分かっていました。それでも、急いでいる私が優先されるべきだと本気で思っていたのです。彼女が画面に目を戻すと、舌打ちが出て、私は聞こえるように言いました。
「信じられない。こういう人がいるから嫌なんだよね」
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通路の向こうからの声























