「母さんへ」の1語で読むのをやめた私、息子の手紙を古い菓子箱へしまった理由

コラム

聞かなかった理由

その場で、「これ、本当に自分で書いたの?」と聞くこともできました。でも私は、便箋をたたみました。

「ありがとう。大事にするね」

息子は「うん」と返しました。その顔を見ていると、それ以上聞くことができませんでした。私は手紙を封筒へ戻し、棚の菓子箱に入れました。

指摘しなかったのは、息子に気まずい思いをさせたくなかったからだけではありません。毎年「書いてね」と頼み続けたことで、息子にとって手紙が楽しみではなく、やらなければならないことになっていたのかもしれない。

そう考えると、自分にも原因があったように思えました。

そして...

息子が帰ったあと、私は菓子箱を開きました。昔の手紙を1枚取り出すと、途中に何度も書き直した跡が残っています。しばらく読んだあと、今度は自分の便箋を出しました。

書き出しは「かあちゃんより」

返事を求めるためではなく、今度はこちらから近況を書いて送ってみようと思っています。来年の帰省が近づいても、「今年も書いてね」と言うかどうかは、まだ決めていません。

(50代女性・パート)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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