「まあ、悪い人ではなさそうだね」恋人を1度も褒めない親友に、私がやっと聞けたこと

コラム

向かいに座る親友に、彼と撮った写真を見せるつもりでした。思いきって「一度も褒めてくれないの、なんで?」と聞いた私に、返ってきたのは冗談めかした一言でした。けれど私は、どうしても笑えませんでした。

「まあ、悪い人ではなさそうだね」

親友とは大学からの付き合いで、恋愛の話も全部してきた仲です。彼との交際を報告した日も、この店の同じ席でした。「優しい人でね」と話す私に、親友はカップを口に運びながら「まあ、悪い人ではなさそうだね」とだけ返しました。それから数か月、彼の話をするたびに返ってくるのは似たような一言でした。けなされている訳ではありません。ただ、褒められたことは一度もありませんでした。

3人で食事をした日も

一度だけ、3人で食事をしたことがあります。彼は親友の好き嫌いを事前に私へ確認し、当日は料理を取り分け、話題も親友に振ってくれました。帰り道、親友は「お店、良かった」と言っただけで、彼の話には触れませんでした。家に帰ると彼が「親友さん、俺のこと苦手なのかな」とこぼし、私は「そんなことないよ」と返しながら、自分でもその言葉を信じきれずにいました。祝福されていないのかもしれない。そう思うと、彼の話をするのが少しずつ怖くなっていきました。

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