
「わかった」と声で返した僕が、用件のあとに毎回つけ足していたもの
コラム
返ってくるのは、いつも「了解」だけでした
音声を送ると、妻から返ってくるのはいつも用件に対する「了解」でした。「そっちも、無理しないで」と入れた部分について、何か返ってきたことはありません。もしかすると、最後まで聞いていないのかもしれないとは思っていました。それでも後半を削れませんでした。用件だけにすると、本当に連絡事項だけになってしまう気がしたからです。「用件だけなら、文字で送ってくれる?」と文字が届いた回も、僕は「わかった」と声で返しています。最後まで聞いてほしいとは書けませんでした。書けば、聞かせるために入れているのだと認めることになります。
そして...
妻が用件のあとまで聞いているのかは、今も分かりません。最後まで聞いてほしいとも、まだ言えていません。それでも音声を送るときは、「そっちも、無理しないで」のような一言を、今も用件のあとに残しています。文字で同じことを送ろうとすると、入力欄には用件だけが残ります。足そうとして消した言葉を、声ならまだ言えています。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)
























