
母の味を守っているつもりだった俺が、自分の言葉の出どころを知った食卓
コラム
「これ、母さんのだ」
妻が実家から帰った日、食卓に出てきた煮物は、実家で食べてきた味そのものでした。1口食べて、
「これ、母さんのだ」
と言うと、妻は、
「次からは、私の作り方に戻します」
と答えました。俺が守りたかった味は、母が自分の作り方をやめていった先にできたものです。何をどれだけ足していったのかを、俺は台所で見たことがありません。妻が持ち帰ってきたのも、その分量ではなかったのだと思います。
そして...
今は、食卓で味の話をしません。妻が作ったものを、出された分だけ食べています。母にはまだ何も聞けていませんし、妻にもあの頼み方を謝れずにいます。皿が空になったことだけを、毎回伝えるようにしました。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)


























