
「忘れ物です」とSNSに載せたらバズった→店員の僕が投稿を消した理由
コラム
目的が変わっていました
持ち主が現れないまま、僕はもう一度、花籠を近くから撮って載せました。まだ待っていると書き添えると、反応はさらに増えました。その時点で目的が変わっていたのだと思います。持ち主を探すためではなく、人に見てもらえる店の話題として扱いはじめていました。本人が見れば取りに来るはずだと考え、なぜ来ないのかを考えようとはしません。
そして...
開店してすぐ、あの常連さんが携帯の画面を差し出しました。半分ほどしか花のついていない籠が写っています。
「これ、私が忘れたものです」
角の席で編み物をされていたこと。あの日、いつものように編み針を出していなかったこと。そこで全部つながりました。僕は花籠を袋へ戻してお渡ししました。
「お待ちしていました」
そのまま終わらせることもできました。けれど、反応の数が心地よくなっていたのは僕のほうです。
「落とし物を探すつもりで載せました。でも、反応が増えてから、店の投稿として見てしまっていました。申し訳ありません」
「探してくれたことは、ありがたかったです。でも、作った人まで見世物みたいになるのは、ちょっと怖かったです」
後から載せた写真は、その日のうちに消しました。今は忘れ物が写った写真を投稿に使わず、お預かりした物は奥の棚に置いています。
(30代男性・飲食店勤務)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























