
「話があるから電話していい?」に身構えて眠れなかった私→翌日の通話は、たった10秒で終わりました。
コラム
10秒で切れた通話
着信があったのは、翌日の休憩に入ったところでした。ロッカーの前で通話ボタンを押すと、彼はいきなり用件から入りました。
「今度の休み、1日空けておいて」
「話って何?」
「それは当日。じゃあね」
通話はそこで終わりました。画面に残った通話時間は10秒です。前の日から抱えていた不安は、行き場をなくしました。「それだけ?」と送ると、「それだけ。ごめん」とだけ返ってきました。
そして...
休みの日、迎えに来た彼の車で連れて行かれたのは、学生のころに家族と通っていた店でした。個室の扉を開けると、母と妹がテーブルについていました。彼はかばんから小さな箱を出して、両手で差し出しました。
「順番が逆になったけど、受け取ってほしい」
中に入っていたのは指輪でした。指先でふちをなぞってから、私はようやく顔を上げました。
「あの日、全然眠れなかったんだからね」
そう言うと、彼は頭を下げました。
あの短いメッセージは、今もチャットをさかのぼれば残っています。読み返すたびに笑ってしまうその1通の下に、当日撮った4人の写真を並べて保存しています。
(20代女性・販売職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)





























