
用件を書かずに1通だけ送り、返事を止めていた間、恋人の家族に頭を下げて頼み事をしていました
コラム
10秒で切ったのは、こらえる自信がなかったからです
言うことを3つに絞ってから、通話ボタンを押しました。
「今度の休み、1日空けておいて」
「話って何?」
「それは当日。じゃあね」
用意していた残りの2つは、口に出せませんでした。これ以上聞いていたら、当日まで持たないと思ったからです。そのあとに届いた「それだけ?」には、「それだけ。ごめん」と返しました。打ちながら、また同じことをしていると気づきました。
そして...
休みの日、車で彼女を迎えに行き、家族が待つ店の個室へ向かいました。かばんから出そうとした箱は、内ポケットの角に引っかかってなかなか出てきませんでした。
「順番が逆になったけど、受け取ってほしい」
箱を開けた彼女は、指先でふちをなぞってから顔を上げました。
「あの日、全然眠れなかったんだからね」
頭を下げながら、俺があのとき選んだのは彼女を待たせるやり方だったのだと、ようやくわかりました。今は、用件を1通目に書き切ってから送るようにしています。返事が遅くなるときは、遅くなるとだけでも先に入れます。
(20代男性・営業職)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)





























