
「来月も同じ週末に帰ってくるね」と言った私→母の一言で喧嘩別れ、駅で見かけた背中に顔をそむけた
コラム
売店の前の背中
駅の待合室のベンチで、電車を待ちました。あの言い方をするくらいだから、私が来るのは迷惑だったのだろう。毎月の帰省も、母にとっては負担でしかなかったのかもしれない。考えるほど、もう帰らないという決心は固くなっていきました。
電車の到着を知らせる放送が流れ、改札へ向かったその時です。改札横に、見慣れた緑のカーディガンの背中がありました。
母でした。車で追いかけてきたのでしょうか。
声をかけるべきか迷いました。けれど、もう帰ってこなくていいと言ったのは母のほう。顔をそむけて改札を通り、振り返らずにホームへの階段を上りました。
そして...
電車が動き出してから、スマホのカレンダーを開きました。来月の週末に入れていた「帰省」の予定を、長押しして削除します。これでいい。そう決めたはずなのに、心がざわつきます。
もう帰ってこなくていいと言った母が、どうして駅まで来たのか。窓の外の田んぼを眺めながら、答えは出ないままでした。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)































