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私の名前を呼ぶ直前、彼のボイスメッセージには3秒の無音があった

カップル

質問の答えは、紙の上にあった

約束の日に向かったのは、彼の最寄り駅でした。改札の向こうの彼は、鞄を体の前に抱えていました。駅前の公園まで歩き、ベンチに腰を下ろしたところで、ためていた質問を口にしました。

「あのメッセージ、名前の前に間があったよね」

彼はスマホを出して、その録音をその場で再生しました。あの3秒は、外で聞くといっそう長く響きます。録音が止まると、彼は言いました。

「大事な話があるんだ、って最初に言うつもりだった」

続けて鞄から出てきたのは、四つ折りの間取り図です。

「ふたりで住める部屋、ずっと探してた」

返事が短かったことも、約束を延ばしたことも、仕事帰りに一人で内見を回っていたからでした。全部そろえてから渡したかったのだと、彼は紙の折り目を伸ばしながら話します。条件の欄の、二人入居可の文字だけが、ペンで丸く囲ってありました。

「その部屋、今から見に行ける?」

そう言ってから、声が弾んでいたことに気づきました。

そして...

あのボイスメッセージは、消さずに残されています。同じ3秒なのに、今では、切り出す前の深呼吸にしか思えません。疑う側にいた数日の私のことは、隣を歩く本人に、まだ話せていません。

(20代女性・医療事務)

本人記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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