
編み物のグループチャットで、スタンプが1つだけ。「私の投稿、載せないほうがいいですか」と送るまで
ライフスタイル
先輩に送った1通
マフラーがもう1本編み上がったころ、私は先輩との個別のチャットを開きました。打ち込んだのは短い一言です。
「私の投稿、載せないほうがいいですか」
送ってすぐ、既読が付きました。それきり画面は動かず、私は自分の靴下の写真を開いては閉じました。返信が届いたのは、スマホを伏せたあとです。画面いっぱいの長い文は、謝罪から始まっていました。
「ごめんなさい。あなたの写真だけ、返事をかけませんでした」
「私、編みかけのまま、編み物をやめようとしていたんです」
先輩は、袖を1本編んだきりのカーディガンを箱にしまったままなのだと書いていました。ほかのメンバーの作品にはまだ教えられることがあるのに、私の編み目だけは自分のより揃っていて、開くたびにやめかけている自分を突きつけられる。だから感想の言葉が出てこず、拍手のスタンプ1つが精一杯だったのだそうです。
そして...
返信を読んだあと、グループに写真が上がりました。袖が片方だけの、編みかけのカーディガンです。私は誰よりも先に返しました。
「続き、一緒に編みませんか」
今では、完成前の毛糸の色も、ほどいた失敗も、あのグループに並んでいます。私のマフラーの写真には、先輩の長い感想と、それに続くみんなの言葉が付きました。
(20代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























