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    完成報告が並ぶたび、編みかけを箱に戻していた私が、スタンプしか押せなかった理由

    ライフスタイル

    グループでは軽い返事を書ける私が、あの子の投稿だけ開くのを後回しにしていました。彼女からの短いメッセージに返事を書くうち、逃げていたものの正体を言葉にすることになります。

    編みかけのカーディガンは、袖が片方だけのまま、クローゼットの箱の中で季節を越えていました。

    開くのが遅れる通知

    手芸店の編み物講座で知り合った5人のグループチャットで、私は歴だけがいちばん長い立場でした。誰かの完成報告には、まず私が感想を書き、ほかのメンバーがそれに続いて話が広がる。いつからか、それがこのグループの流れになっていました。ただ、講座で隣の席だった年下の子の投稿だけは、通知を見ても開くのが遅れました。彼女の靴下の写真が上がった日も、別のメンバーの帽子には色の質問を書きながら、その写真は開かないまま画面を閉じました。翌日になって、拍手のスタンプを1つだけ押しました。

    箱の中のカーディガン

    理由は分かっていました。ほかのメンバーの作品には、糸の始末や模様の選び方など、まだ私から教えられることがありました。彼女だけは違いました。始めて1年も経たないのに、編み目は私のより揃っていて、開くたびに、袖を1本編んだきり箱にしまったカーディガンを思い出すことになるのです。だから彼女の投稿だけ開くのを後回しにして、開いてしまった分にはスタンプで済ませていました。私が口火を切らない写真には、誰も続きません。それを知っていながら、無関心のふりという、いちばん楽な逃げ方を選んでいました。

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