
共同貯金から親へ仕送りしていた僕が、彼女に隠し続けた理由
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結婚を控えた彼女と始めた共同貯金。そこに手をつけた理由は、やましいものではありませんでした。ただ、「正直に話す」という、それだけのことが思っていた以上に難しかったのです。
親への仕送りという事情
父が体調を崩したのは、二年ほど前のことでした。長く勤めていた仕事を辞めざるを得なくなり、実家の家計は一気に苦しくなりました。母もパートの時間を増やしていましたが、それだけでは足りません。長男として毎月いくらかを実家に送るのは、自分にとって自然な選択でした。
最初は自分の口座からやりくりしていましたが、結婚準備の出費が重なるうちに余裕がなくなり、やむなく共同口座から仕送り分を出すようになってしまったのです。彼女の積立分には手をつけていないから大丈夫だと、自分に言い聞かせていました。
同僚の一言が、口を閉ざさせた
ある日、職場の同僚がぼそっと漏らした話が胸に引っかかりました。「親に仕送りしていると彼女に言ったら、結婚後もたかられるって嫌がられた」と。その言葉が頭から離れなくなり、彼女に話すタイミングを何度も逃しました。
彼女は優しいから、きっと分かってくれると思っていましたが、もし引かれたらどうしようという不安が、ずっとせめぎ合っていました。黙っている時間が長くなるほど、切り出すハードルは上がっていく一方でした。
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問い詰められた

























