
誰にでも返信できたのに、彼女にだけ言葉が出てこなかった
コラム
同僚にも友人にも、メッセージは秒で返せます。なのに彼女の通知を開くと、指が止まる。付き合って2年、ずっとそうでした。自分でも理由がわからないまま、ある夜、彼女から届いた一言で目が覚めました。
返せない理由
俺はメッセージの返信が遅い人間ではありません。仕事のチャットには即レスするし、友人のグループチャットにも普通に参加します。彼女に「忙しいなら、一言だけでいいから」と言われたとき、「読んでるよ」と返しました。嘘ではありません。全部読んでいます。
ただ、彼女のメッセージを開くと返事を打っては消し、打っては消しを繰り返して、結局何も送れなくなるのです。「了解」で済ませたくない。でもうまい言葉が出てこない。そのまま時間だけが過ぎていきました。
天才と呼ばれた夜
水曜の夜、通知を開くと「既読スルーの天才だよね」と書いてありました。胸のあたりがずしっと重くなりました。皮肉だとわかっていました。
その数時間前、俺は友人との食事の写真をSNSに上げていた。彼女がそれを見たのだろうと、すぐに察しました。SNSには気軽に投稿できるのに、彼女へのたった一言が打てない。自分でもおかしいと思います。返そうとスマホを持ち上げると、また指が止まりました。
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