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好きだと言えないまま、その女性の手だけは離せなかった僕の本音

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向こうから歩いてくる友人に気づいた時、隣にいる女性をどう紹介すればいいのか、僕はとっさに迷ってしまいました。二人の関係には、まだ名前がついていなかったからです。気の利いた言葉を探すうちに、友人はもう目の前まで来ていました。

名前のつけ方が分からなかった

その女性のことは、もうずいぶん前から好きでした。一緒にいると楽しくて、毎日のメッセージのやりとりが、僕の支えになっていたのです。本当はとっくに気持ちを伝えたかった。けれど、僕には踏み出せない理由がありました。以前の恋愛で、まだ相手の気持ちを確かめないうちに「彼女」と呼んでしまい、相手を戸惑わせてしまったことがあったのです。だから今度こそ、ちゃんと順番を守りたい。そう思っているうちに、肝心の言葉だけが言えずにいました。

とっさに出てしまった言葉

友人は僕たちを見比べて、にこやかに尋ねました。「もしかして彼女?」。その質問に、僕は少し慌てて首を振りました。「いや、友達だよ」。女性に断りもなく「彼女」だと名乗るのは、また同じ失敗を繰り返す気がして怖かったのです。けれど言い終えた直後、隣にいる女性の表情が曇ったのが分かりました。違うんだ、そういう意味じゃないと、心の中で必死に言い訳をします。それなのに僕は、その場で言い直すこともせず、ただ作り笑いでやり過ごしてしまったのです。

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