
父の返信はいつも「わかった」だけ、わがままを試した私が、実家の台所で見つけたもの
コラム
実家の冷蔵庫には、見覚えのある言葉を書き写した紙が貼ってありました。「おかえり」と言った父の顔を、私はまだ覚えています。
画面いっぱいに送った私のメッセージの下で、父の返信は今回も「わかった」の一言だけでした。
長文にも、写真にも、返事は同じでした
就職して家を出てから、父とのやりとりはもっぱらメッセージになりました。近況を書いても、職場の愚痴をこぼしても、返ってくるのは「わかった」だけ。母を通せば会話は続くのに、父と直接つながる言葉はそれだけでした。
内定の報告をしたときも、風邪をひいたと送ったときも同じ返事で、既読になる速さだけがやけに早いのが、かえって寂しく感じられました。関心がないのだろうか、と思い始めていた自分がいました。
わがままを送って、試してみた
連休に帰省を決めた私は、少し意地悪な気持ちで文面を作りました。
「今度の連休、そっちに帰るね。駅まで迎えに来てほしいな。あと、おでんが食べたい」
甘え慣れていない自分には、精いっぱいのわがままでした。数分後に届いた返信は、やはり「わかった」だけでした。私は画面を閉じて、荷造りの続きに戻りました。期待した自分が少し恥ずかしかったです。
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実家の台所で見つけたもの


























