
「あんた方言丸出しで恥ずかしくないの?」と笑うママ友の前で、私の言葉にだけ笑顔を見せてくれた人がいた
コラム
公園のベンチで
次の週末、ママ友たちと子どもたちで近所の公園に集まったときのことです。ベンチにひとりで座っているおばあさんが、不安そうにあたりを見回していました。気になって声をかけると、口をついて出たのは方言でした。「おばあちゃん、大丈夫?どうしたと?」。するとおばあさんの表情がふっとほどけて、「ここらへん初めてでね、帰り道がわからんくなってしもうて」と、懐かしいイントネーションで返してくれたのです。
そして...
おばあさんは息子さんの家に遊びに来たものの、散歩の途中で道がわからなくなったとのことでした。手を引いて一緒に歩き、送り届けると、おばあさんが「あんたの声聞いて安心したわ。ありがとうね」と私の手をぎゅっと握りました。
振り返ると、少し離れた場所にあのママ友が立っていました。目が合い、何か言われるかと身構えましたが、彼女は何も言わず視線をそらしました。謝罪も、ねぎらいもない。でも、それでよかった。あの日、私の方言をまっすぐ受け取って笑顔を見せてくれた人がいた。それだけで、ずっと飲み込んできた言葉が、喉の奥からゆっくりとほどけていく気がしました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)



























