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あの食卓で母に逆らった俺が、まだ彼女に打ち明けられずにいること

コラム

顔合わせの食卓で母が放った一言に、俺は迷わず席を立ちました。彼女を守りたかったのは本当です。けれど、あのとき俺があれほど強く言い返せたのには、彼女がまだ知らない理由がありました。

事前に伝えていた言葉

顔合わせの1週間前、俺は母に電話をしていました。「彼女の実家は農家だけど、絶対に失礼なことは言わないでくれ」。母は「わかってるわよ」と軽く流しましたが、声の温度で嫌な予感はしていました。

母は昔から「家柄」や「体裁」を気にする人です。俺自身、その価値観の中で育ち、子どもの頃は疑問に思うこともありませんでした。変わったのは、彼女の実家を初めて訪れた日からです。

田んぼで見た景色

付き合って半年の頃、初めて彼女の実家に行きました。朝5時に起きて田んぼに出るご両親の背中を見て、胸を打たれました。泥だらけの長靴、日に焼けた腕、それでも「今年もいい米になるよ」と笑う彼女の父親の顔。俺が知っている「仕事」とは違う、土に根を張った生き方がそこにありました。

あの日から、月に一度は一人で彼女の実家を訪ねるようになりました。田植えや草取りを手伝いながら、彼女の父親にいろんな話を聞きました。彼女にはまだ伝えていません。

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あの食卓で
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