
「風邪ひいた」と送ったら彼から「スポーツドリンク」だけ。冷たいと感じて「何それ」と返した私が、続いて届いたメッセージに笑ってしまった夜
コラム
朝起きたら、喉が痛くて熱っぽい。会社を休んで布団に潜り込み、彼に何気なく送った一言が、思いもよらないやりとりの始まりだったのです。
「スポーツドリンク」だけ届いた画面
熱で頭がぼんやりしたまま、スマホを手に取りました。連絡をするか少し迷いましたが、週末の予定を彼と話していたこともあり、「風邪ひいた」とだけ送ったのです。大げさな言葉は、なんとなく気が引けました。
返信を待つ時間は、普段よりずっと長く感じました。ようやく通知が鳴って、布団の中で身を起こしかけたその時、届いていたのはたった一単語でした。「スポーツドリンク」。画面を見つめたまま、何度かまばたきしてしまったのです。
大丈夫?とか、どうしたの?じゃないんだ。心配の言葉ひとつもなく「スポーツドリンク」だけ。熱で気持ちが弱っていたのか、胸のあたりがつきんとしました。
「何それ」の返信で動き始めた温度
むっとした気持ちを抑えきれず、「何それ」とだけ打ち込んで送りました。言い過ぎだったかな、と後悔する前に、すぐ続けて通知が鳴ったのです。開いてみると、そこには「買ってく」の文字。
その瞬間、頭の中でパズルのピースが合いました。彼はきっと「スポーツドリンク買っていく」と打とうとして、途中で誤って送信してしまったのだと。慌てている彼の指先が目に浮かんで、さっきまでの刺々しさが、すっとほどけていきました。
「え」と返すと、また少し間を置いて「あとゼリー」。その短さがなぜだかとてもおかしくて、毛布を口元に引き寄せて、ふっと笑ってしまったのです。
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少しずつ積み重なる優しさ

























