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「音大出たのにピアノ教室?もったいないね」と同級生に見下された私→教え子の活躍で評価が一変した日

コラム

 音大時代の同級生と再会した同窓会。懐かしさの中で投げかけられた一言が、じわじわと胸に刺さり続けた話です。

8年ぶりの再会

 卒業から8年後の同窓会で、同じゼミだった同級生と再会しました。大学時代から演奏の腕が際立っていた彼女は、卒業後に一般企業へ就職したと聞いています。「今何してるの?」と聞かれ、「地元でピアノ教室を開いてるよ」と答えると、彼女は一瞬きょとんとしてから言いました。「音大出たのにピアノ教室?もったいないね」。悪気のなさそうな口調が、かえって深く刺さりました。「子どもたちに教えるの、楽しいよ」と返すと、「でもさ、あれだけ弾けたのに」と笑いながら続けたのです。

揺らいだ足元

 帰り道、あの言葉がずっと頭を離れませんでした。もったいない。自分でも考えなかったわけではありません。コンクールで入賞した経験もあり、教授に演奏家の道を勧められたこともありました。それでも私は教えることを選んだのです。生徒が初めて一曲を弾き通したときの顔が好きで、あの瞬間のために日々を重ねることに誇りを持っていました。なのにたった一言で足元が揺らぐ自分が情けなくて、唇を噛みました。

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