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15年待ち続けた椅子に座ったのは年下の彼女だった。俺が提案前夜に隠していたこと

コラム

次の部長は自分だと、ずっと信じていました。その椅子に座ったのは他部署から来た年下の女性。あの日、俺が取った行動の本当の意味を、彼女はまだ知りません。 

奪われた席

「あんたが部長?冗談でしょ」。そう言ったとき、俺は笑っていなかったと思います。15年この部署で結果を出し続けて、前の部長にも「次はお前だ」と言われていました。それなのに異動の内示で名前が呼ばれたのは、入社8年目の、他部署の彼女でした。 

理由の説明はありませんでした。着任の挨拶をする彼女の横顔を見ながら、拳をきつく握っていたことだけ覚えています。

俺が渡さなかった情報

彼女が「過去の提案資料、共有してもらえますか」と聞いてきたとき、「自分で探してください」と返しました。意地悪をしている自覚はありました。 

それだけではありません。俺は、先方の担当者が来月異動するという情報を掴んでいたのです。長年の付き合いで、先方の内部事情は耳に入ります。けれど、それを彼女には伝えませんでした。担当者が変われば提案の方向性が狂う。そうなれば彼女は対応しきれないだろう。そこまで考えた自分の薄暗さに、胃の奥がぎゅっと重くなりました。

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